キャベツは私たちが年中食べることが出来る貴重な栄養源です。
90%は水分でカロリーは少ないが、タンパク質はリジンなどで良質です。
ビタミンC、カルシウムが多く含まれ肉類の付け合わせにはかかせません。
新鮮でやわらかく、風味のよいものは生食(和え物・サラダ・漬物)が良いが、汁、スープの実、煮込み、炒め物なども美味で食卓で人気の「ロールキャベツ」のような煮込みは十分に煮込むとそのおいしさが特に際立ちます。
全季節に栽培適地があり各地に各様の栽培が行われ、春まき夏どり型、夏まき秋または冬どり型、秋まき春どり型など暖地では冬から春にかけて、寒地では夏から秋にかけての生産が多い野菜と言えます。
しかし私たちにとって重要なキャベツを栽培し育てる段階から食卓まで安全・安心に届くにあたって大きな問題がひとつあります。
それは害虫の存在です。
今回はこの問題について栽培段階の代表的な虫(害虫)と調理段階前の虫(害虫)の取り方についてご紹介したいと思います。
目次
キャベツにまとわりつく憎き害虫アオムシについて(栽培段階)
アオムシの生態は?
アオムシという名称は、チョウ類の幼虫の中で毛のないものを言います。
今回特にモンシロチョウの幼虫であるアオムシについて述べます。
モンシロチョウは1年で何度も世代交代を繰り返し、その度に産卵し約1週間でアオムシが孵化します。
孵化したアオムシは緑色の葉を食べ緑色になっていきます。
小さな身体なのに食欲は旺盛で葉っぱを食べつくして葉脈だけにしてしまいます。
最も活発な時期は4月~6月と9月~11月頃です。
アオムシは葉と同色なので見分けるのが難しく、収穫するキャベツに紛れてしまうこともあります。
アオムシをどう防ぐ?
- 防虫ネットや寒冷紗で防ぐ
作物に接近し産卵を果たそうとするモンシロチョウに対しては防虫ネットや寒冷紗で作物を覆います。
なるべく隙間なく覆うことが必要で産卵を防げる効果があります。
チョウにネットの隙間から入られると産まれ放題となるので注意してください。
ただしネットの隙間から入るアブラムシには別の対策が必要となります。
- コンパニオンプランツを植える(レタス)
コンパニオンプランツとは、主体の作物の隣に植えることで害虫駆除や生育の促進に役立つ効果のある植物を言います。
キャベツにはレタスが適しているとされます。
難点はレタスが先に収穫時期を迎えてしまうことですが、アオムシを避ける効果は期待できます。
- 農薬の使用
防虫ネットやコンパニオンプランツの手間と比較すると即効性がありその効果はある意味魅力的です。
しかし薬品の選択を間違えると益虫も同時に駆除してしまう危険が伴います。
無農薬や有機栽培を目指す農家には当然選択の余地はありませんが、使用される農家には十分な情報に加え農薬の検証等が求められるでしょう。
- 手で捕獲
以外にも原始的ですが多く行われている方法です。
アオムシや卵を見つけて捕獲後、駆除するやり方です。
ただし見落とし等があるため大きな畑では効率の面で不向きと思われます。
なお駆除中もモンシロチョウは卵を産み続けるためなおさらですね。
比較的小規模な畑で雑草を抜きながら水を撒き同時に駆除を行うのが一般的なようです。
調理前のキャベツにつくムシの取り方について
農薬の残留と虫・卵
虫がつきやすいキャベツは農薬を使用しています。
もちろん人体に影響がないようできるだけ少なく散布されていますが、そのためどうしても虫が残る状態の物もあります。
残留農薬には注意が必要です。
また無農薬のキャベツはキャベツで虫や卵がついている事に気をつかわなければなりません。
キャベツをしっかり水洗い
キャベツの外側を捨てることが大事です。
内側の部分は虫や卵を取り除くためしっかり水洗いを心がけましょう。
料理の種類によっては、外側の葉も必要となる場合もあります。
1枚ずつ丁寧に水洗いをしてから調理しましょう。
洗うタイミングは?
キャベツを切る前がベストのようです。
なぜならば切った後では切り口から栄養分であるビタミン等が流出するからです。
せっかく食卓に並ぶキャベツ料理、栄養分を逃してしまうのはもったいないですね。
まとめ
このように栽培段階では害虫が大量に発生することは何としても防がなくてはなりません。
そのためには日ごろからの注意が必要となります。
防虫ネットやコンパニオンプランツなどの手段を施しても畑の周りをよく見て、もしモンシロチョウが飛んでいたら、要注意です。
キャベツの葉に穴が空いていたらアオムシがいると思って葉の裏や隙間を徹底して探しましょう。
葉に穴が空いていなくても卵がある場合もあります。
手作業で駆除または農薬を有効に活用することも検討しましょう。
そしてキャベツは調理し食べる私たちにとって大変貴重で重要な栄養分を持つ野菜です。
その栄養源に少しだけ食べる前の手間をかけることでより食の安全・安心感を得ることができると思います。
今回は生産から調理までのキャベツと虫の関わりについて記事にしました。
ご参考いただければ幸いです。
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