ほうれん草の種類には、東洋種、西洋種、交配種、サラダほうれん草、ちぢみほうれん草があります。
このうち東洋種、西洋種および交配種は、いわゆるほうれん草で、東洋種は、葉肉が薄く、あくが少なく、西洋種は、逆に葉肉が厚く、あくが多いそうです。
交配種は東洋種と西洋種を掛け合わせた雑種で、現在日本で見られるのはほとんどが交配種で、東洋種と西洋種の両種の良いところを残しているそうです。
ほうれん草は、種まきが2月の春まきと9月の秋まきであり、30から50日後に収穫があります。
これに対して、ちぢみほうれん草は収穫期間を12月から2月にしています。
ほうれん草を冬場の寒さに当てると、葉がしまり肉厚になり、甘みが増すそうです。
葉がちぢれて見えるのでこの名です。
サラダほうれん草は、ほうれん草のあくを少なくしたもので、種まきはほうれん草と同じです。
収穫は種まきの30から50日後くらいだが、ほうれん草よりも少し短いそうです。
ほうれん草とサラダほうれん草の違い
ほうれん草とサラダほうれん草では、栽培方法が異なります。
ほうれん草は土に種をまく土耕栽培です。
一方、サラダほうれん草は水耕栽培です。
土耕栽培では、ほうれん草は土のシュウ酸を取り込み、かつ窒素肥料からの硝酸態窒素がほうれん草に取り込まれます。
シュウ酸は人間の体のカルシウムと反応してシュウ酸カルシウムを形成します。
シュウ酸カルシウムは水に溶けないで、尿結石の元になるといわれています。
また、シュウ酸と硝酸態窒素は、えぐみという、あくの強い、いがらっぽい味にします。
したがって、ほうれん草は食べる前に葉全体を茹でてあく抜きする必要があります。
サラダほうれん草は、あく抜きの面倒をなくして、生でも食べられるように改良したものです。
水耕栽培なので土から来るシュウ酸はありません。
肥料は液体肥料ではあるが、窒素肥料から来る硝酸態窒素は防げません。
しかし、収穫の少し前の日から水だけにする工夫をして硝酸態窒素の影響を減らしているそうです。
したがって、サラダほうれん草のえぐみは、ほうれん草のえぐみよりずっと少なく、生での食用が可能になります。
ほうれん草とサラダほうれん草の栄養分は変わりません。
サラダほうれん草は、湯で茹でることがないか、または茹で時間が少なくてすむので、湯に溶解する分だけ栄養分が多いと言ってよいでしょう。
サラダほうれん草は、水耕栽培なので年中供給できます。
ほうれん草もハウスでの栽培があり、こちらも季節には必ずしも依存しなくなってきています。
まとめ
サラダほうれん草は、その辺の八百屋ではまだ置いてないところが多いです。
スーパーでは置いているところと置いていないところがあります。
インターネットの販売があるくらいだから、入手は難しくないが、どこででも買える、という具合にはなっていないようです。
値段もほうれん草よりも2割ぐらい高めのようです。
生のサラダを好む人は買うのであろうが、値段優先の人は、従来通り湯で茹でれば良いとして、無理してまで買わないのではないでしょうか。
さらなる普及には価格が下がることが必須でしょう。
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