昔から、わさびには殺菌効果があると言われ、生の魚と一緒に食べることは理にかなっていると言われています。

しかし、一口に「殺菌効果」と言っても、それは、どれくらいのものなのか?

食材として使われているものの殺菌効果とは、どれくらいのものなのかを調べた中学生の生徒さん達がいます。

わさび 殺菌 成分 乳酸菌

わさびはカビの発生を抑制する!?

昔から、わさび、ネギ、シソ、ニンニクなどは、カビの発生を抑制すると言われています。

そこで、学生さん達は、これらをすりつぶして成分を抽出し、ご飯に混ぜ込んで薄く広げた状態で観察しています。

実験結果では、ご飯のみと、シソを混ぜたものは、5日にカビが発生しています。

わさび、ネギ、ニンニク、ショウガ、唐辛子を混ぜたものは、8日経ったものにもカビは確認されませんでした。

シソはカビを抑制する効果が弱いのに、あるように言われるのは、シソと一緒に使われる食塩にカビを抑制する力があるためではないかと推測されています。

抑制する力はどれくらい?

次に、わさびなどのカビを抑制する力は、どれくらいなのか?

あえて、カビの生えやすい環境で実験がされました。

結果、わさび、梅干しは、最初からカビがある状態、またカビが繁殖しやすい環境では、ほとんどカビを抑制することはできませんでした。

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乳酸菌強し!

カビが繁殖しやすい環境でも、カビの繁殖を抑えた食材、ニンニク、ショウガ、ネギ、唐辛子にカビを滅菌させる効果があるのか実験されました。

その際に、人に有益と言われる乳酸菌も、それらの食材に滅菌させられるのか実験されています。

結果、どの食材もカビを少しの増殖(黒カビは大きく増殖したものもあり)に留めるものの滅菌させることはありませんでした。

しかし、乳酸菌は、唐辛子のみ、少しの増殖に留まっただけで、ニンニク、ショウガ、ネギに抑制力は無いようで、大量発生、増殖しました。

まとめ

この実験結果を見ると、「殺菌効果がある」という言葉を過信しないように注意すべきだと言えるでしょう。

昔の人が試行錯誤して残してくれた知恵と食材は、安易に過信しなければ、とてもありがたいものです。

最後の実験では、抗菌作用があると言われる食材VSカビ、乳酸菌、納豆菌です。

大なり小なり、カビへの抑制力はあるものの、乳酸菌と納豆菌は抑制できていません。

人に有益な菌がカビよりも強い増殖力を持つことが分かる興味深い実験でした。

この実験を行った研究論文は、平成22年度の中学生・高校生の科学・技術研究論文、中学校共同研究の部、最優秀賞になっています。

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